数学は、自分で問題を解かんでも、解答の丸暗記でよいとさんざん書いてきたが、そのやり方が不安な人のために、もう一度補足しておく。要するに、断片的な公式の暗記では実際の問題に太刀打ちできないが、問題の解答の筋道をまるごと覚えておくと、実際の問題にあたったとき、なんとなく、“前やったあの問題と似てるな”とか、“この問題は、あのやり方でやったらできそうだ”というのが、よめてくるのだ。しかし、このやり方は、前にもいったように、将棋の定跡を覚えるのと似ていて、覚えている定跡があんまり少ないと役に立たない。前にやった問題と全く同じ問題など出るわけがないからだ。パターンの暗記の数が少ないうちは、ほとんど同じ問題が出ないと解けない。ところが、暗記の数が多くなると“似た”問題が解けるようになってくるのだ。文系なら1000題、理系なら二〇〇〇題の暗記で大学受験レベルは間違いないだろう。入試の数学には難問は出ないといったが、難問でない問題については、おそらく、問題の作成者は、過去のいろいろな大学の入試問題を吟味してつくるはずだ。知らず知らずのうちに過去に出た問題と似てくるのだ。難問でない問題を確実に解くパターン認識で十分なのだ。